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下呂銀座街(赤線)の地図
岐阜県下呂市森
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おそらく1958年頃の岐阜県の赤線の状況
岐阜市加納水野町の金津園に85軒
大垣市藤江町の旭園に22軒
高山市花岡町に12軒
多治見市西ヶ原に9軒
益田郡下呂町の銀座街に10軒
吉城郡神岡町の宮下に11軒
安八郡墨俣町の夜城園に25軒— はにわ人魚 (@v8oto8v) September 10, 2019
下呂の町を歩き回って、ここぞという場所をみつけた。市役所ちかくの路地、温泉街からかなり外れているのに旅館が集まってるし、きわめつけは銀座荘というアパートだか旅館だかがあったらしい。
下呂の赤線「下呂銀座」
売春防止法により9軒が旅館に転業。 pic.twitter.com/p7YGVoNz8z— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 30, 2019
下呂の赤線、銀座荘の出自がわかった。宇宙初なんですけど、感動というよりは、かなり衝撃を受けました。 https://t.co/uCF9GPUrzZ
— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 27, 2021
①岐阜県下呂市の赤線、下呂銀座の出自がなんでわかったのか、なぜ衝撃を受けたのか書きます。ふだん俺が図書館で何やってんのかわかってほしいってのもあるし。 https://t.co/mvIyiDkydP pic.twitter.com/eWbPvE0zT0
— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 28, 2021
下呂温泉ってのは、愛知岐阜のいわゆる奥座敷で、関東の熱海、東北の鳴子みたいなポジションの温泉街で、そこには下呂銀座という、業者10軒、接客婦50名からなる赤線がありました。最初に、赤線の場所のリンク貼っときます。https://t.co/L51JIAN2Oz
— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 28, 2021
実は、早い段階で下呂銀座の出自はわかっていました。岐阜タイムスっていう岐阜の主要紙の花街特集に書いてあったんです。『昭和26年、名古屋中村遊郭からの移転』と。これは本当に東海遊里史に残るビッグニュースです。資本力のある中村の妓楼が、歓楽温泉として伸び盛りの下呂に進出!面白い!! pic.twitter.com/Ez9JLr1pwU
— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 28, 2021
こんな面白いニュース、なんとしても開業記事を見つけねばならない!!岐阜タイムス、そして愛知の主要紙、中日新聞は必ず記事を書くはずです。時期もわかってるし楽勝!!軽くいなして宇宙初の大発見!!んで、私は2県にわたって新聞を鬼のように見まくるわけですが、これが、見つからない。
— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 28, 2021
記事がない理由はいくつか考えられるのですが、朝鮮戦争とかサンフランシスコ平和条約のような遊里以上のビッグニュースで埋もれてしまった可能性がある。中村遊郭移転の事実はあっても書かれてなければ、それでおしまい。万策尽きたか…。しかし、見つけたんだな!!下呂の地方紙、益田新聞!! pic.twitter.com/7qamFmvnzf
— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 28, 2021
そしたらもう、出るわ出るわ…。下呂銀座の魅力を熱く語った記事が…。さすが歓楽温泉の地域紙!!このエロ新聞め!!もう勝利は目の前です!!さぁ、早くその出自について書くんだ!!早く書け!!わたしはもう半狂乱になりました。 pic.twitter.com/CnREDke1Yq
— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 28, 2021
しかし、一切、その出自について書かれないまま、売春防止法で下呂銀座はなくなり、その20年後の特集記事でも触れられませんでした。……なんで??だって中村遊郭の移転って、それが最大のアピールポイントじゃないの…??…ある直感が身体を貫き、新聞をめくる手を止めました。「…ウソなのでは?」 pic.twitter.com/x1wkjAh2AE
— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 28, 2021
中村遊郭移転はウソ。そう考えれば、辻褄が合う。
中日新聞はそもそもそんな事実がないので、記事があるわけない。
岐阜タイムスは、地方の特飲街成立ぐらいでは記事にしなかった。
そして、益田新聞は、書けなかった。嘘なので。
……もう一度その視点で資料を見直すと、ある記事が目に止まりました。— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 28, 2021
下呂銀座を誘致した今井勇一という町議が、新たな歓楽街を造ろうとしてる記事。中村遊郭に触れてないのでほぼスルーしてましたが…。今井勇一……町議………、何かひっかかる……どこかで見た……どこで……。
!!!!
電流のような閃きが走りました。 pic.twitter.com/GvrMgRUpwl— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 28, 2021
どこで見たか。カストリ出版の『戦後新たに発生した集娼地域〜』!!そこで地名は伏せられているが、以下の点が一致する具体例が挙げられていた。
①年度
②町議
③業者数(10)
④温泉地帯
……これ、下呂温泉じゃねえかこの野郎!!!!!町議の一族が戦前からの娼家と!!中村この野郎!!! pic.twitter.com/dhn9PNEdw5— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 28, 2021
結論。
下呂銀座の客寄せのために、業者側は中村遊郭の移転だという嘘話を持ち出した。(もしくは記者が勝手に誤解した。)業者は娼館の屋号に、中村遊郭だけでなく八幡園の有名妓楼のビッグネーム(床元、天龍閣など)を使うことで、ビッグ感を醸成した。実際は、地元業者の寄り合い所帯である。 pic.twitter.com/PiM1QhdZ1a— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 28, 2021
というわけで、長い間追っていた東海遊里史に残るビッグニュースは幻に終わって、まじで図書館で「ええ〜〜ッッσ(^_^;)」と声が出ましたが、まぁ謎が解けて本当に良かったし気持ちいいです。おしまい。
— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) March 28, 2021