塩尻遊廓
※1930年（昭和5年）発行の「全国遊廓案内」より
鹽尻遊廓
鹽尻遊廓は長野縣東筑摩郡鹽尻町に在って、中央線鹽尻驛下車東へ約二十丁の地點に當つて居る。乗合自動車の便があつて、約十分で着く。
昔から鹽尻は中仙道の重要な宿場で、飯盛女と稱する宿場女郎が、盛んに旅人の客席に侍つたものであるが。明治に成って初めて一廓に取纏め、現在の如き遊廓を形成したものである。
貸座敷は目下九軒あつて、娼妓は全部で三十六人居る。制度は居稼ぎ制で、陰店に成つて居り、全部廻しを取る仕組みに成つて居る。御定りは三圓で遊興税も含んで居るが御定り以外に臺の物を注文した場合には、其の消費額の一割は遊興税として掛けられる。御定りの外に上床を要求し度い人は五十錢を奮発せねばならない。御定り金三圓也を支拂へば娼妓の外に酒肴が運ばれ、藝妓一組も酒席に現はれて座を賑はすと云ふ、誠に面白い風習のある處である。面白い計りではなく、三圓の御定りにチップの五十錢か一圓も奮発したのみで、藝妓を揚げて騒げる上に、貸座敷へ一泊が出來ると云ふのだから、斯んな安價な處も尠ないと思ふ。
昔から茲には鹽尻甚句と云ふ俗謡がある。
「行かうか鹽尻、歸らうか洗馬ヘ ここが思案の桔梗が原」
妓樓は信陽樓、若竹樓、三喜樓、大和樓、彌生樓、壽樓、湖尾樓、三盛樓、英樓の九軒である。
塩尻遊廓の地図
長野県塩尻市塩尻町
塩尻遊廓関連ブログ
塩尻遊廓関連ツイート
駅から歩いて40分、塩尻遊郭跡にたどり着いた…！小ぶりで可愛らしい遊郭…！ pic.twitter.com/3Q3wOtMpMs
— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) April 10, 2022
遊郭の入口に古めかしい石柱が！！大門か！！！！とメガネをずりあげながら撮影していたが、大門にしては小さすぎる。常夜燈？ pic.twitter.com/mBRfkBl29B
— 春は馬車に乗って (@jounalduvoleur) April 10, 2022
旧塩尻遊郭跡。
現在は何の変哲もない住宅街になっているが、ここには大和楼、三喜楼、信陽楼、弥生楼、壽楼、潮尾楼、三盛楼などの遊郭が立ち並んでいました。 pic.twitter.com/rD3N6Q9yFc— 🍉おびちゃん🏯信州松本🍎 (@CtvTub53) August 16, 2018
｢塩尻新地｣と書かれているが、塩尻町の塩尻遊廓のことだろうか。 pic.twitter.com/mViUOKFYr3
— 🍉おびちゃん🏯信州松本🍎 (@CtvTub53) December 24, 2018
