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鹽釜町(赤線)

※1930年(昭和5年)発行の「全国遊郭案内」より
鹽釜町
鹽釜町は宮城縣宮城郡鹽釜町字一三町と一○八町とに在つて、鹽釜線鹽釜駅から西へ約十丁、乗合自動車の便があつて賃五錢である。
鹽釜は仙臺の門港で目下築港中である。松島遊廓の客は必ず此處へ立ち寄つて、鬼州一の鹽釜神社へ参詣して行く。食鹽の製造方法を人々に教へた鹽土翁の他の釜を祀ったものだと云ふ事である。松島の絶景を控え、犬仙臺を抱き、新港装の成つた暁には、鹽釜の前途は大いに期待し得るものがあらふ。舊幕時代には仙臺に貸座敷と云ふものが無かつた。從つて有福な武家の青年は、五里の途をも遠しとせずに足繁く善く通ったので、可成繁昌して居たが、今は「市川樓」と「大浦樓」の二軒しか無く成った。宿場に成って居て、陰店を張って居り、娼妓は全部居稼ぎ制である。遊興は時間制又は仕切制で、廻しは取らない。御定りは五圓で臺の物が附きき、一泊が出来る。最低三圓五十錢で遊べる仕組みがある。松島へは船で一時間もかからない。

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鹽釜町(赤線)の地図

※上記「全国遊郭案内」の記述にもあるように、鹽釜のその手の店は点在していたようです。地図はおおよその場所を示しています。
宮城県塩竈市本町



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